このほど、弊蔵:西山酒造場の主屋を含む建築群3点が、国の登録有形文化財に登録されました。
丹波市では2件目となります。
登録されたのは、主屋、堀、離れ:三三庵(ささあん)の3つの建造物です。
主屋は、瓦ぶき木造二階建てで、1891年(明治24年)頃の建築のものになります。
江戸中期の丹波地域の特徴的な住宅様式を伝えており、現在は店舗兼住宅となっております。
通りに面しており、
「主屋二階は、軒下に瓦庇および虫籠格子を取り付け、重厚な外観を見せ、左右に延びる塀と共に町並み景観形成に寄与している。」
と評価いただきました。
又、離れの三三庵(ささあん)は、木造平屋建てで、洋間を持つ数奇屋風建築物です。
1941年(昭和16年)に大阪の著名な建築家:赤松修氏が設計しました。
昭和初期の和洋折衷住宅の流れを踏まえ、和室と洋間が機能的に配置されており、モダンな雰囲気をたたえています。
弊蔵の屋号『小鼓』は、俳人:高浜虚子にその名を受けたのですが、以来、門下・画人が集う文化サロンとなっており、主屋などは、その舞台となっておりました。
現在は、住宅となっておりますが、実際に使っている生活の場が文化財に認められたことは大変ありがたいことと思います。
又、離れ:三三庵(ささあん)は、伝統の上に新しい創意を加味して作られており、
『小鼓』が
「古くからの手造り・小仕込での酒造りを継承する中、斬新なボトルやラベルと融合させて新しい酒文化を提唱する」
とする精神に脈々と受け継がれております。